はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

古典文学

教科書に載っている古典文学(1)児のそらね

自分の勉強もかねて教科書に掲載されている古典文学の現代語訳を時々書くようにします。今回は今教えている宇治拾遺物語の「児(ちご)のそらね」です。ここでいう児とは貴族や武家の子どもが社会勉強の一環として寺院に預けられている時の名称のようです。…

古典の読み方

古典文学を読む上で、何を目的にするのかは様々なあり方があっていいはずです。先日、先輩から御著者をいただきましたが、それは古典を現代の視点で読み直すという興味深い内容でした。学生時代、厳密な研究で臨まれていた先輩の思い出とはかけ離れた筆致で…

心情語

古典を教えていていつも思うのは心情語の豊富さです。現代では「すごい」「やばい」でほとんどすべてを表現してしまう場合も多いのと対照的です。「あはれ」と「をかし」の対比は有名ですが、そのほかにもさまざまな心情表現があります。そのなかには意味の…

伊曾保物語のなんとも不思議な感覚―私の古典文学散歩(5)

イソップ童話はだれでも一度は読んだ物語でしょう。古代ギリシャでその原型ができたという寓話集は、動物を主人公とする教訓的な話で有名です。実はこの話は戦国時代の末期にポルトガルの宣教師たちによってもたらされ、「伊曾保物語」として翻訳されていま…

今物語のおもしろさ―私の古典文学散歩(4)

『今物語』は藤原信実が編纂した中世説話集です。1998年に講談社学術文庫で三木紀人氏の全訳注が出版されたため、大変読みやすくなりました。念のためにいいますが『今昔物語集』とは別の作品です。 編者の信実は13世紀ごろの人で、自ら勅撰集に多数歌を残す…

如意の渡りの弁慶・義経―私の古典文学散歩(3)

歌舞伎の「勧進帳」は歌舞伎十八番の一つ。市川海老蔵・団十郎のお家芸として江戸時代から今に伝えられているものです。初演は天保11年(1840)です。これは源頼朝に追われて諸国を敗走する義経一行が加賀の安宅の関(現在の小松市)まで来たとき、関守の富…

だまし討ちは許される? 古事記の英雄たち―私の古典文学散歩(2)

古事記は日本書紀とともに神話と呼ばれる作品です。神話はファンタジーとは異なり、あくまでそこに述べられていることは真実であり、現在のさまざまな事実の理由説明になる規範であったと考えられます。 古事記を読んでいて少々気になることがあります。それ…

百人一首の天智天皇―私の古典文学散歩(1)

百人一首の最初の一首は、 秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ 天智天皇 です。この歌の典拠は『後撰集』です。ちなみに百人一首は鎌倉時代の初頭に藤原定家が勅撰集の中から百人の名歌を選んだものです。天智天皇は大化の改新で活躍した…