はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

国語教育

演出

実際にはないものを見せると分かりやすくなるということがあります。普通はそうはしないのですが、敢えてそうしてみせることが思考段階の可視化につながり、結果的に理解しやすくなるのです。 国語の授業の内容の大半はこの作業であり、脳内で瞬時にやってい…

国語力は小学生で決まるのか

我々国語の教員の中にも中等教育で国語力を伸ばすことは難しいという人が多くいます。文章を書かせてみると確かに圧倒的な差を感じることがあり、それをセンスの有無で語ることもよくあります。私はこの考えをとりません。 作家や言語を芸術として使用する職…

詩の授業

詩の授業は生徒のときは気楽でした。覚えることも問われることも限られているし、解釈も多様性が認められていたからかもしれません。 教員の側に回ってみると詩の授業ほどやりにくいものはない。限られた時間内で詩の世界を理解させなくてはならないし、表面…

国語からの連携

国語教育はすべての思考の土台という認識はいつもあります。思考の根源であり道具でもある母語はすべての基礎にあるものです。それは分かりながらも具体的に何をすればいいのかが分からずにいる。 教育界が進みつつある実用的な国語能力の方面は、これを意識…

会議の俯瞰

最近読んだ本の中にファシリテーターの重要性が書かれていました。会議をメタ認知することの必要性が述べられていたのです。読んでいて気付いたことにこの件については国語の授業との親和性がかなり高いということがあります。 会議をうまく運営するためには…

漢字テストの改良

日本語にとって漢字テストは大事です。抽象概念を漢字に依存している日本語にとって漢字を学習することは思考の深度を高めることに直結するからです。漢字には一字ずつに意味があり、さらに熟語になると別の意味になることもあります。それらを知ることで表…

素直ではない作文

生徒に自分の意見を書きなさいという課題を出すことは国語教員ならば何度もあります。正直に自分の意見を書くという行為そのものはとても意味があることであり、やらねばならないことだと思います。ただ、自分の意見を書くのに10分とか20分とかしか与えない…

答えるのは登場人物の心情ではなく

国語の問題にはしばしば登場人物の心情を問うものがあります。間違えてはならないのは聞かれているのは登場人物の本心でも、作者が登場人物に託した心情でもないことです。人の気持ちなんて分かるはずがないという素朴な疑問は正しい。それを聞いているので…

言いさし

生徒の作文を読んでいてこの頃特に目立つのは文を最後まで言い切らず、体言止めにすることです。たとえば、 主人公のあの時の言葉に感動。心に残る場面でした。 のような表現です。一度だけなら表現効果を狙ったものということも可能ですが、文中に何度も使…

小説を書かせよう

国語科の教育の改革に大きな疑問を持っている人は多いと思います。大学共通テストの試行問題を見て危機感を覚えた人も多く、世間では多くの論評が出ています。私も同様の感想を持っています。そして現場にいるものとしてそれは深刻です。 実用性を重視し、大…

接続詞

国語のテスト問題としては定番の接続詞に関する穴埋め問題はやはり大切なものです。そして、これに関する教育をしていかなくてはならないことを痛感しています。 小学生の頃から、順接の「だから」、逆接の「しかし」、例示の「例えば」、譲歩の「たしかに」…

アドリブで話す

アドリブで何かをするというのはちょっと難しいことです。先日、生徒に3分のスピーチをさせたところ、大半の生徒は半ばくらいで止まってしまいました。彼らに共通するのは予め用意した原稿を読み上げるか、記憶してきたことを再現していることです。 スピー…

話し方

今日は少しだけ話し方の授業をやってみようと考えています。口頭発表をする際の基本的なスキルを見直してもらうのが目的です。 まず、姿勢と発声の方法を確認します。肩幅くらいに立って親指あたりに重心があるのを意識してもらいます。前のめりにならないよ…

なと思います

「ほぼほぼ」「基本」「の体で」など流行語とも言えるような表現を最近頻繁に耳にします。「ほぼ」「基本的に」「のように」と言っていたものをそのように言うと今風になるからでしょうか。教員仲間でもごく自然に使う人が多数います。いわゆる造語ではなく…

文法を教える

中学生に国語文法を教える際にいつも気になっていることがあります。成績のよい生徒でも文法の知識の定着には時間がかかるということです。直後に行うテストで満点を取っても、2か月後のテストでは忘れてしまう。 それは必ずしも生徒の怠慢のせいだとも言え…

読書感想文の意義

夏休みの宿題に読書感想文を課する学校はいまでも多いようです。ただ、この宿題にはいろいろな問題があって、存在意義を疑問視する人も多い。私は出題意図が明確ならば一定の効果があると考えています。私の読み方を紹介することで、この問題に対する一つの…

主述の一致

全国の小中学生を対象に行われた全国学力テストの結果が発表されました。国語教員としてはその結果に関心を持っています。県別の平均点のランキングばかりが話題になりますが、それよりも私は日本人の知的活動の根本に当たる基礎的な国語能力がどのように育…

作者の意図

国語が苦手な小学生の母親からの相談で次のような話を聞いたことがあります。国語の問題で「とはどういうことですか」という形の設問に対して、たいていの場合そのこどもは自分の考えを述べてしまい結果的に誤答になってしまうというのです。国語の設問は結…

基本の力

学校で教えることはおそらく自分でも学べる力をつけさせることにあるのだと思います。アクティブラーニングとは学びの行為がパッシブではなくアクティブだということです。協働学習はそのための手段の一つであり、学び合いがなければ効果的な深い学習はでき…

漢字テスト

漢字テストで満点を取るのに同じ意味の同じ漢字が作文などの中では書けない生徒がいます。ほとんど毎回、満点を取るのにそれができないのは不思議です。 こうした生徒はおそらく漢字を表音文字として覚えており、しかももととなる問題集の例文ごと丸暗記して…

文章読解力

中高生の基本的な文章読解力が著しく低下しているかもしれないという報告を読んで、強い危機感を覚えています。しっかりと文意が取れない人が増えることは、他人に操作されやすい人口が増えることでもあります。あるいは近年の民主主義の危機と呼ばれるもの…

意味の世界

国語教育で大切なのは意味を教えることであると思います。言葉の持つ意味、文の、そして文章の持つ意味を理解させることが大切なのでしょう。 最近の結果を求めすぎる傾向に乗って、言葉の意味を軽視する人が増えてきました。あたかも言葉は数学の記号のよう…

創作の指導

短歌や俳句、詩さらには小説などを書く授業は前々から取り組もうとしてうまくいかなかったものです。多分に趣味的なものとして軽んじられている様です。ただ、これからの時代に求められるクリエイティブなものの考え方はそうした創作の中で育まれるのかも知…

正解率0.7%の「難問」

大学入試共通テストの実施に向けた試行テストの結果が報告されています。改革の目玉である記述式問題の中に正解率が0.7%という問題があったというので、それを検証してみました。 当該問題は大問1の問3です。これは架空の青原高等学校の生徒会部活動規約…

古典に学ぶ

現代に比べると古典文学が生まれた時代の人々の社会は単純といえます。単純というのは稚拙とか安易という意味ではないことは周知の通りです。社会保障システムのない状況で生きるのは想像を絶する厳しさがあるでしょう。人権という概念がないのも私たちには…

言葉はあなたそのもの

学年末最後の授業ではいつもいう「ネタ」が言葉はあなたそのものだという話です。私たちは言葉で何かを伝え、言葉によって外界の現象を察知し認識します。その言葉の使用法の精度がその人の世界とのかかわりを決めてしまうという話です。 国語を勉強する意味…

伝わっていないことを前提に

中学生に国語を教える際に忘れてはならないのが、自分の「常識」と生徒のそれとの違いを意識することです。こんなことは言わなくても分かっているはずだという前提を置かないことが大切なのです。 私の教えている生徒は比較的学力が高く、家庭的にも恵まれた…

文法の扱い方

中学生に(現代日本語)文法を教えることに関してはいろいろな意見があります。文法を知らなくても普通に会話や文章作成ができているからそんなものに時間を割くのはおかしいのではないかという大前提論から、古典文法ならば教える価値はあるが口語文法は不…

小学校から英語学習もいいけれど

小学生から英語を必修科目として教えることは世界の流れだという人がいます。確かに国によっては母語の教育を後回しにしても英語を教えるところもあるようです。ただ、それは英語圏に隣接していたり、そもそも母語の独自文化の積み重ねが少ない国や地域での…

察しの悪い教員になる

指名して答えさせることは授業の中ではよくあることです。低学年の授業ではなるべく一時間に一発言はさせることを目的として指名を連発します。指名すると多くの生徒は答えを単語かその組み合わせで答えようとします。そしてそれは大体正解です。しかし、私…