はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

文化・芸術

版画芸術

版画は芸術でありながら大量生産が可能な要素も持っています。複製がもともとできるものであるために芸術としての価値について低く見る人もいます。ただ、単色で濃淡をつける技術や、遠近法によるリアルな描写など西洋版画の目指したものは芸術そのものです。

書道の延長

岡本太郎美術館に行ってきました。太陽の塔で有名な岡本の芸術は独特です。かつて「芸術は爆発だ」という名言で誰でも知る存在でした。CMに参加するなどマルチな活動をする芸術家としても先駆的な存在でした。 その絵画や彫刻を改めて鑑賞すると、芸術書道の…

美術館でメモを取る人

美術館でメモを取る人がいます。鉛筆を使って展示リストに書き込むのは鑑賞スタイルとして以前からありました。私もよくやることです。特に注目した作品に対して何がいいのかを簡単にメモするのです。 最近、これをする人が増えている気がします。中には手帳…

雲の美学

三菱一号館美術館で開催中の「コンスタブル展」を観てきました。イギリスの風景画家といえばまずターナーが思い浮かびますが、コンスタブルは同時代のいわばライバル的存在であり、その画風も独自なものがあったと言えます。 展覧会を観て思ったのはイギリス…

世界に合わせる、世界を合わせる

様々な点で日本の競争力が低下していると言われています。それは長い間我が国が日本国内の基準に従ってものを作ったり、それを運用していたからだといいます。グローバルな時代になってそれが怪しくなった。だから世界基準に合わせるべきだという議論になり…

翻訳

翻訳とは言葉の置き換えだけではなさそうです。文化の異なる状況においてなんとか理解ができるように橋渡しをすることが翻訳であり、場合によっては訳者の解釈、創作が入り込む余地があるものなのでしょう。

桃山文化

東京国立博物館の「桃山 天下人の100年」を観てきました。桃山時代というのは戦乱の時代ですが、その中で文化的な動きも大きかったことが分かります。 金箔をはった洛中洛外図などの屏風絵はこの時代の特徴ですが、豪華さの反面、そこに描かれている人の姿の…

美意識

陶芸の美を考えるとき、私は審美眼を鍛えられます。なにが美であるのかをじっくりと考えなくてはなりません。素直に理解できないこともあるのです。 釉薬の垂れ具合を美意識をみること、ゆがんだりかけた茶碗を貴重だと考えることには日常の基準を超えた何か…

写真の芸術性

先日、ザ・ミュージアムBunkamuraで開催中の「永遠のソール・ライター」という展示を観てきました。ニューヨークで活躍した写真家で、芸術写真の開拓者といわれている人らしいです。 写真は工業製品であるカメラを使うために芸術の範疇から外れるのではない…

マスクで演劇

仮面舞踏会でもやろうか。そんなことも言いたくなる状況になっています。学校演劇の世界ではウィズコロナの演劇スタイルとして非接触、距離確保、マスク着用を条件に舞台を始める計画を立てています。 まったくやらないのに比べれば大きな全身ではありますが…

ネット句会

リモート授業の一つとして俳句会をネット上でやってみました。その上で俳句とはどのような文学なのかを考える機会を得ました。 生徒の作品をフォームで投句させ、それを匿名にして再びフォームにして選句させる。基本的にはこの方法で句会のようなものはでき…

スヌーピーミュージアム

南町田グランベリーパークに開館したスヌーピーミュージアムに行ってきました。この建物の評価はアミューズメント施設として考えるのか美術館として考えるのかで大きく変わると感じました。 シュルツが残したかわいらしいキャラクターたちはその姿だけでアピ…

静物画で表現する何か

横浜美術館で開催中の「ルノワールとパリを恋した12人の画家たち」を観てきました。ルノワールの温かく穏やかなタッチの少女像はいつも何か心を穏やかにする力を感じます。今回、惹かれたのはセザンヌの静物の絵でした。テーブルの上に雑然と並べられたリン…

芸術の力

ウクライナ国立歌劇場管弦楽団のコンサートに行ってきました。演目はチャイコフスキー「白鳥の湖」とベートーヴェン「交響曲第9番」でした。第九はなぜか年末の風物詩になっていますが本来は季節とは無関係の曲のようです。ただ、いかにも年末を飾るにはふさ…

世紀末ウィーンのパワー

乃木坂の国立新美術館で開催中の世紀末ウィーンをテーマにした展示を見てきました。クリムトの大作は印象的ですが、この展示の面白さは時代の気風を美術品で表現しているところにあります。 ウィーン会議後のヨーロッパが抱えていた旧体制からの脱皮とそれに…

トルコ至宝展

先日、国立新美術館で開催中のトルコ至宝展を観てきました。オスマン帝国時代のトルコの宝飾品を中心とした展示であり、見どころがありました。 トルコ文化にとって花柄、とりわけチューリップをモチーフにした図柄は大切であったらしく、かなり多くの展示品…

再興第103回院展横浜展

横浜そごうにあるそごう美術館で開催中の「再興第103回院展横浜展」を観てきました。86の作品は多種多様であり、一概にまとめることはできません。ただ巡覧することから受ける印象は、日本画と洋画の画法の融合は独特の表現法を生み出し、さらにまだ発展しつ…

ロマンティック ロシア

Bunnkamura ザ・ミュージアムで開催中の「国立トレチャコフ美術館所蔵 ロマンティック ロシア」の展覧会を観てきました。なかなかの人気で人の列が絶えず人の波をかき分けての観覧でしたが、さまざまな名画を楽しむことができました。 今回の展示では19世紀…

「童謡とわらべ唄」

町田市民文学館ことばらんどで開催中の「童謡誕生100年 童謡とわらべ唄 -北原白秋から藪田義雄へー」を観てきました。白秋は童謡の作家として有名ですが、町田市民文学館がこの展示を企画したのはその高弟である藪田義雄の事績の紹介にあるといえます。 白…

パリジェンヌ展

先日、世田谷区の砧公園にある世田谷美術館の「パリジェンヌ展」を観てきました。女性の生き方や描かれ方について考えさせる内容でした。 パリジェンヌには洗練された先進的な女性像があります。しかし、この展示を見る限り、憧憬のみならず侮蔑の対象にもな…

インドに咲く染と織の華

渋谷区立松濤美術館で開催中の「インドに咲く染と織の華」と題する展示を観てきました。インドに伝わる染色や刺繍、キルトなどを展示したものです。大きな一枚布に染め上げた動植物の鮮やかな模様が印象的でした。 今回の展示は写真撮影およびネット公開が許…

紙の上のいきものたち

町田市立国際版画美術館で開催中の「紙の上のいきものたち!!」を観てきました。動植物が刷り込まれた版画作品を集めたものです。展示は4つのテーマからできていました。まずは細密画の中に描かれた動物です。写真のない時代には版画がその役割を果たしてい…

オルセーのナビ派展

有楽町駅近くの三菱一号館美術館で開催中の「オルセーのナビ派展」を観てきました。長い間、東京で暮らしながらこの美術館の存在を知らず今回が初めての訪問でした。都会の真ん中の美術館ですが、もともとオフィスビルとしてつくられた洋館の外見を再建した…

あどけない天使

六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで開催中の「大エルミタージュ美術館展」を観てきました。「オールドマスター西洋絵画の巨匠たち」というサブタイトルを掲げた展示でした。オールドマスターというのは16世紀から18世紀の評価の定まった気巨匠と呼…

都市を抽象化すると

町田市立国際版画美術館で開催中の「シリーズ現代の作家 追悼・木村利三郎」という企画を観てきました。展示室は一室の小企画ですが、私としては見ごたえがありました。 スクリーンプリントという手法を用いた作品の多くは都市を抽象化したもので、写実から…

魂の演奏

昨日、水戸室内管弦楽団の公演をミューザ川崎シンフォニーホールに聴きに行きました。地方都市の名を冠する小規模オーケストラの本拠地以外での公演はほぼ満席でした。それは小澤征爾が指揮するからです。 演目は指揮者なしで演奏されたモーツァルトのバイオ…

マリー・アントワネット展

六本木ヒルズ森タワーにある森アーツギャラリーで開催中の「マリー・アントワネット展」を観てきました。「美術品が語るフランス王妃の真実」というサブタイトルどおり、美術展というよりもアントワネットの歴史学上の新解釈に答えようとする意図が見える展…

描かれた女たち

東京富士美術館を観た後、八王子の中心部にある八王子夢美術館で開催中の「描かれた女たち /女性像にみるフォルム/現実/夢」を観てきました。この美術館は閉館時間が午後7時であり、かなり余裕を持って観覧できることがよいところです。ビルの2階部分をほぼ…

漢字三千年

八王子の東京富士美術館で開催中の「漢字三千年ー漢字の歴史と美ー」を観てきました。 漢字の発生から清末の西太后の書まで、様々な文字の入った作品が展示されていました。金文や竹簡、木簡、甲骨文字などの写真でしか見たことがなかったものが展示されてい…

ピーターラビット展

少し前のことになりますが、渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中のピーターラビット展を観てきました。絵本の原画やスケッチなとが展示されていました。今年は作者のビアトリクス・ポターの生誕150年に当たるとのことです。 ピーターラビットのモデルに…