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福士加代子選手の記録は平均時速15キロを超える

 昨日の大阪国際女子マラソンではトラックの中・長距離界の日本記録を多数持つ福士加代子選手の力走と失速が話題になりました。テレビ中継を観ていた私は何度も転倒しながらもゴールをあきらめない姿に素直に感動しました。持ち前の明るいキャラクターから「爆走娘」とマスコミに命名された彼女が、表情を崩しながらも棄権をしなかったことは記憶すべき今年の話題の一つになるでしょう。
 陸上の専門家のコメントを見る限り、練習不足と作戦不足が敗戦の原因だということです。確かに報道によるとマラソンの練習を始めてからわずかで20キロ以上の距離を走っていないというのですから、そういわれても仕方ないかもしれません。準備さえ整えば新記録達成の可能性がある選手だという予感だけは確実に残したと思います。
 それよりもふらふらになった彼女を必死で応援する沿道やスタンドの観衆の姿に、彼女の人徳を感じたのは私だけではないでしょう。トラック競技での復活を期待したいと思います。
 さて、彼女の今回の記録は2時間40分54秒ということですが、この記録について調べてみました。現在の女子マラソンの世界記録はイギリスのボーラ・ラドクリフ選手が2003年にロンドンで記録した2時間15分25秒です。日本人では北京オリンピック代表に内定している野口みずき選手が2005年にベルリンで記録した2時間19分12秒です。ラドクリフ選手の世界記録を時速に換算すると約18.8キロです。(ちなみに男子の記録は昨年ベルリンでエチオピアのハイレ・ゲブレセラシェ選手が記録した2時間4分26秒で、平均時速は20キロを超えます!)福士選手の今回の記録では時速約15.7キロになります。実は15キロで走るのはたやすいことではありません。自転車でこの速度を保つのはけっこう大変です。ちなみに福士選手の記録は1909年までは男子の世界記録でした。
 マラソンは地形や競技地の雰囲気にも影響される競技なようです。ベルリンマラソンは記録の出やすい大会で男女とも歴代記録に多数絡んでいます。実は大阪国際女子マラソンも記録が出やすいコースのようです。比較的平坦な地形と都市部を走るため応援の列が途切れないことが関係しているのでしょうか。
 福士選手の活躍の陰に隠れてしまいましたが、他の選手たちの活躍も光りました。女子マラソン界がますます盛んになるようで楽しみです。