はてなの毎日

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産地を確かめて買い物をする人々

 中国産の冷凍餃子から毒物が検出され、実際に被害者が発生した事件は社会的に大きな影響をもたらしています。中国産の食品についてはこれまでも問題が発生し、疑惑のあるものを含めるとその件数は計り知れません。関係する方々にはいち早い対応をお願いしたいと思います。
 日本に中国の食文化は根強く浸透しています。中華料理は決してエスニックではなく、ある意味日本の主食品の一つといってかまいません。日本人はその発祥地や開拓者に対して敬意を持つ民族です。元祖、本場とか、直輸入といった言葉は、食品業界にとっては賛美以外のなにものでもありません。今回の餃子は日本人向けの製品だったようですが、餃子の本場中国から輸入したものというと、本来これはプラスのイメージが伴うはずです。
 今回の事件で中国産製品に対する信用が著しく失墜したことは残念でなりません。先日買い物に行ったとき、多くの客がふだんは見過ごしている産地の表示を綿密に確かめながら買っている姿を見ました。それも一人二人ではありません。中国産の表示のあるものはのきなみ不人気であったようです。
 日本でも高度経済成長期にいくつかの食品公害の事件を起こしています。急成長のひずみでおきた悲劇といえます。中国もいま実利主義に走るあまり、何か大切なものを失いつつあるのではないでしょうか。
 学生の頃、上海から来た留学生の下宿に遊びに行ったことがあります。彼は心を込めた手製の料理でもてなしてくれました。中国人の心の温かさに触れたとてもいい思い出です。今回のような事件が中国への不信感に拍車をかけることにならないか心配でなりません。