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電気自動車の時代間近か

 東京発ロイター伝によると、昨日、三菱自動車工業の益子修社長が本社ショールーム開設の挨拶の中で、電気自動車iMiEV(アイミーブ)の発売を今年の7月にすると発表したそうです。今年は法人向けに2000台を供給し、来年度以降は一般にも販路を広げて年産10,000台を目指すとのことです。
 三菱自工のサイトによればこの車名は、基本となった軽自動車のi(アイ)とMitsubishi innovative Electric Vehicleの略からつけたものだそうです。リチウムイオン電池とモーターを組み合わせた完全な電気自動車で、プリウスやインサイトのようなハイブッリド車と違いまったくガソリンを使いません。走行時はCO2をまったく排出しないというのがウリで、発電時まで含めて排出量は70%減になるということです。燃料費はガソリン車の3分の1、深夜電力などを利用すると9分の1にまでなる計算です。加速性能や騒音などもガソリン軽自動車よりも低いなどさまざまな点で優れています。
 最高時速130Km、一度充電すると160Km走れる(10・15モード)とのことです。家庭用電源だとフル充電に14時間かかりますが、高速充電器を使えば、80%充電にかかる時間は30分たらずです。そのほか減速時に発生するエネルギーから発電する機能など注目すべきデータが書かれています。
 さて、気になる価格ですが、2008年4月21日付けの中日新聞サイトのニュースによると、国の補助などが出れば1台250〜280万円ほどになるそうです。4人乗り軽自動車にこれだけ投資できるかというと少々疑問が残りますが、環境問題が深刻化している今、いわゆる「グリーン・ニューディール」の一助には十分になりえそうです。
 さらにエコカーというサイトの情報によると、iMiEV SPORTというバージョンもあり、これは最高時速180Km、充電走行距離200Kmとさらに高機能です。驚くことに天井に太陽電池をそなえ、走行時に小型風力発電機を使って発電しながら走るそうです。さらに、受電装置にマイクロ波で送電する無線充電システムを開発中で、これができると発電駐車場に停めておくだけでコードレス充電ができるというのです。
 なにか、いいことばかりの電気自動車ですが問題もあります。使用するリチウムイオン電池の材料であるリチウムが特定の産地で限られた量しかとれないレアメタルということです。産地はチリ、オーストラリア、中国、ロシア、アルゼンチンなどですが、日本は南米に依存しているようです。今後、この電池が普及するようになると、原料調達はきわめて困難になるでしょう。電池の寿命も10年たらずということですからばら色の話ばかりではありません。この金属を使わなくてもいい技術を開発していく必要があります。
 ハイブリッドカーのインサイトの売れ行きが好調とのことですが、電気自動車の普及にはせめて100万円台の後半くらいまで購入価格が下がる必要があります。