最近すっかり遠ざかってしまいましたが、かつて万葉集などの上代文学に興味を持っていたことがありました。上代の日本語には8つの母音があり、近似する音もしっかりと聞き分けていたというのが私が携わっていた頃の絶対の常識でした。神のミと上のミは発音が異なるという感じです。
ところが、最近上代も5母音だったと説く論文が出ているようです。この説によると、万葉仮名の書き分けはアクセントや前後関係による発音の変化をうつしたもので音韻の差ではないというのです。
私にとってはパラダイム転換に相当するのですが、果たして真実はいかに。