対中国外交は敗北という者の真意は

　尖閣諸島の事件で漁船の船長を帰国させた処置について、一部の人たちが外交上の敗北だと騒ぎ立てています。交渉の方法として別のやり方があったことは事実でしょうが、少なくとも敗北はしていないと私は思います。
　今回の事件の発端は領土問題です。尖閣諸島はサンフランシスコ条約で日本の領土であることが確認されており、その時中国側からの申し立てもなかったといいます。それが1970年代になって中国が領有を主張し始めました。海底資源が注目された以降は強行な発言が目立つようになってきたのです。
　少なくとも文書の上では日本の領土であることは間違いありません。これだけは主張を続ける必要があります。しかし、領地のために国益を危うくするようなことは本末転倒の愚です。船長を釈放したことにより、各国の多くのマスコミは日本の即断を賞賛し、中国政府の頑迷さを非難する記事を載せ始めました。
　その場で言い負かすのが勝利かと思うと、そうともいえない。これは国際問題にも当てはまると思います。冷静かつ迅速な対応をお願いしたいと思います。