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緊急時のテレビ報道

 3月11日の14時46分に発生したM9.0の東北地方太平洋沖地震をテレビはどう報じたのか。興味深い映像がYouTubeにあります。東京の6つのテレビ局の地震発生時の映像を一画面に並べて同時に見ることができるものです。
 下にリンクをつけておきましたので、まずご覧ください。
 これを見るといくつかの問題点が浮かび上がります。まず民放各局の対応の遅さです。特にCM中は字幕による速報さえ出ず、重要な津波の情報もかなり遅れて出していることです。
 その中で際立って対応が早かったのはNHKでした。国会中継をしていたので対応しやすかったということもありますが、緊急地震速報をリアルタイムで出せたのはNHKだけでした。日テレはせっかく報道番組をやっていたのにも関わらず、キー局が大阪であったからか、アナウンサーの的外れな発言がせっかくの同時中継の意味を半減しています。またフジテレビは放送事故を起こして視聴者を不安に陥れただけでなく、報道番組も冷静さを欠いた不適切なものでした。放送局が液状化したお台場にあったというのが不利だったのかもしれませんが、緊急報道としては残念なものになってしまいました。TBSは字幕による速報は見やすかったものの、再放送のドラマを中断する決断が遅れてしまいました。テレビ朝日は緊急番組の切り替えがかなり遅れ、テレビ東京にいたっては通常番組を流し続けてしまいました。
 災害時に民放各局が弱いことをこの動画は端的に示しています。災害時にはまずNHKにチャンネルを変えるべきであるということが証明されてしまいました。これを機に民放各局の災害時のマニュアルの再考をお願いしたいと思います。
 もう一つ問題があります。NHKの緊急地震速報の画面を見ると、警報の範囲が東北5県に限られており、実際に死者を出した関東がその範囲に入っていませんでした。東京は震度5強の揺れを観測し、死者を出しています。緊急地震速報は携帯電話にも届きますが、最初の大きな揺れの速報は来ませんでした。
 危険をいかに速く知らせるか。今回はマスコミの能力の差が如実に出てしまいました。激震の中でも冷静に避難を呼びかけたNHKアナウンサーのプロ意識には敬意を表します。