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スポーツの目的

 オリンピックバドミントン競技で無気力試合をした4組が失格になりました。いずれも実力のある選手ばかりでありメダル候補でもあったらしく大変残念なことです。責任は本人たちだけにあるのではなさそうなので余計問題は深刻です。
 バドミントン競技では、複数の試合の機会を設けるために予選リーグという方式をとっています。ところが、その順位により決勝トーナメントの対戦相手が決まるため、順位の調整が考えられるようになったのです。
 スポーツマンシップに則って考えれば、こうした行為は許されるものではありません。しかし、プロスポーツであるサッカーや、アメリカンフットボールなどでは勝利のために手を抜くのは常態化しています。
 今回、処分の対象になった中国や韓国ではメダリストに対して手厚い年金などの制度があるようなので、メダルを取るために選手がやることとしては理解できない訳ではありません。むしろ、こうしたルールをつくったことや、メダリストにしか賞賛されない体制に大きな問題があると思います。
 それでは、どんな解決策があるでしょうか。予選リーグの勝ち残りをすべて同等に扱い、抽選でトーナメントの相手を決めるというのが、単純に考えてもっとも手っ取り早い解決策でしょう。ただ、そうすると予選リーグの勝敗の意味が薄くなる、予選リーグと同じ対戦が決勝トーナメントでも繰り返される可能性がある、などの問題点が生じます。トーナメントの対戦相手をある段階で抽選して決める甲子園方式がヒントになるかもしれません。
 またメダリストのみを賞賛するやりかたも国家高揚の方策として定着していますが、やりすぎてはならないと思います。日本では公的支援が不足しているため選手が一流になれないという批判もありますので、これもバランスが必要でしょう。私はメダルを取った選手だけが偉いとは少しも思いません。勝負の結果にこだわりすぎ、勝負の内容を重視しない現状を変えていかなくてはこうした問題はいつまでも繰り返されることになるでしょう。