はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

文化交流を閉ざすな

 日中関係は国交回復後最悪の状態にあるといえるでしょう。今のところ一方的な反日運動とそれにともなう芸術やスポーツなどの部門での交流の中止が相次いでいます。その大半は中国側からのキャンセルのようです。政治と文化を別次元で考える段階に至っていない国家であることを露呈してしまいました。
 中国政府がここまで日本との関係を壊そうとするは、やはり内政の不満をそらす目的としか言いようがありません。日本にとって中国との交流が痛手である以上に、中国にとって日本と正当に交流できないことにはさまざまな不利益があるのですから。
 急成長してきた中国経済の減速は今後一層顕著になるでしょうし、本来ありえないはずの共産主義の貧富の差も、資本主義社会以上になっています。南沙諸島への威圧的な行動やアフリカへの経済進出を繰り返している中国にとって、かつてほど日本の重要さは減っているのかもしれませんが、冷静に考えればそれらの地域への依存はかなりのリスクを伴っています。まして、これからのことを考えて、国民の不満を解消するためには雇用の機会を増やしていかなくてはなりません。そのもっとも簡単な提供先である日本を拒否しているのは、誰の目から見ても自殺行為でしょう。なにしろ、すぐに革命を起こしそうな国民であることは今回よく分かりましたから。
 中華思想はやはり共産主義思想でも消えないようですが、一国ではもはや国体を維持することができなくなってしまった現代において、いまの中国政府のやり方はきわめて危険であるといわざるを得ません。多くの人民を悲しませないでほしいと思うばかりです。
 最近、日本国内で短慮なアウトローが中国領事館の外壁を汚したとの報道がありました。小さな汚れを残しただけだそうですが、絶対にこうしたことはやってはなりません。厳しく処罰するべきです。暴力の応酬では何も解決しない。
 むしろ、私たちはもっと中国のことをよく知るべきです。一見、狂人の沙汰としか見えない暴力活動をした中国人もきっとあの日以外は普通の生活を営んでいるのでしょう。むしろいい人物なのかもしれません。それをああした行動に駆り立てたのは何か。それを知らない限り、問題は何も解決しません。
 中国の文化についてもよりその深層にあるものに興味を持つべきだと思います。彼らは拒否することで事態を切り抜けようとしていますが、私たちは理解することで次の段階へ進むべきです。どちらに幸せな結末があるかは明らかでしょう。