学校の重み

　最近の政治家は学校の重みを忘れてしまったようです。田中真紀子文部科学大臣の大学許認可の取り消しも、教育の仕組みをまったく理解していないことの象徴といえます。大学は全体としてあるのではない。それぞれの学校に関わる人が作り出すものなのです。いまこの時期に認可を取り消すのが何を意味するのかが分かっていない。
　橋下大阪市長の教員に対する考え方も一方的でした。たしかに極端な不適格者は当然排除するべきですが、あまりにも現場を知らない発言が頻発したのは政治家としての資質を疑わせるものがありました。石原元東京都知事に至っては現場がまったく見えなくなっている。批判や理想を語っているように見えて彼らの発言はかえって教育という現場を無化し、効力を消滅させています。代替案がないのに現状批判をして人気を取ろうとする例の作戦は、教育の現場には使わないでいただきたい。
　政治家の教育への関与は昔からデリケートな問題ではありますが、最近あまりにも無知なあるいは無関心な人が多すぎるような気がしてなりません。