はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

心情語

 古典を教えていていつも思うのは心情語の豊富さです。現代では「すごい」「やばい」でほとんどすべてを表現してしまう場合も多いのと対照的です。「あはれ」と「をかし」の対比は有名ですが、そのほかにもさまざまな心情表現があります。そのなかには意味の範囲が重なっているものが多く、現代の学習者には習得が困難です。それは意味を一対一の対応で覚えようとする心理が働いてしまうからでしょう。

 心情語は意味の核となるものがあり、その周囲にさまざまな用例ごとの意味があるのです。だから、現代語に置き換えると同じことばになるものでも、その奥にある心理が異なっているのです。古典教育ではこれらについて深く教えていく必要があると思いますが、現場ではそのような時間はありません。せめて中高生向けの分かりやすい古語の魅力の解説の書籍があるとよいのですが、どなたか紹介していただけませんでしょうか。あるいは書いていただけませんでしょうか。