はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

考えさせるために

  小説を使った授業を行う際に気をつけなくてはならないのは、登場人物の心情を問う時の基本的な考え方です。肝要なのは書いてあることから考えるさせることです。
   人の考え方はまさに十人十色で定式など存在しません。同じ風景を見てもそれぞれ感じることは違います。だから、「あなたは登場人物の心情はどのようであると思いますか」という問いかけに対して一つの解答を求めてはいけません。答えはいくらでもあり、教師の期待する答えもその一つに過ぎません。
「この人物の心情を考える上で参考になる記述はどこにありますか」ならば質問は成り立ちます。書かれていることを参考にして心情分析をする態度を徹底させるのです。
  どうせ考えても答えは出ない。経験やセンスがなければ国語はできないという大いなる誤解を解消することこそ私がやらなければならない仕事なのです。