はてなの毎日

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教員減らしは悪政の始まり

 財政制度等審議会は来年度の予算案編成に向けて、義務教育の教員数を大幅に削減するという意見で一致したようです。財務大臣の諮問機関であるこの審議会は予算編成に相当の影響力を及ぼすものとみられます。少子化に伴い教員数を減らすというのがその根拠のようですが、私はかなり危険な意見だと思います。

 わが国にとって教育は立国の根本をなすものです。学力の低下がしばしば問題になってはいますが、国民の平均で考えれば、それでも他国に比べると極めて高い水準を保っています。それは義務教育が機能しているからに他なりません。財政的に苦しいのはもっともですが、それを教育関連予算の削減に持ち込むのはいかがでしょうか。

 「子ども1人当たりの教員数を維持しながら定数を2000人減らし、高い給与水準を地方公務員並みに引き下げれば、14年度の国庫負担金が約370億円削減できる」(時事通信のニュースより)という論法は明らかに現場を知らない人の物言いです。教員は特別とはいいませんが、かなり特殊な仕事であることは間違いありません。しかも直接子どもと接し、多大な影響力を与えるということは他の職業にはない特徴です。先生が苦労しても報われない生活をしながら、仕事に追われながら児童や生徒に接するというのはいかがなものでしょうか。また、教員の職業としての魅力を削ぐようなことをして、この先の人材確保は大丈夫なのでしょうか。

 教育を企業の論理で考えることが最近の流行のようですが、どうもそれはおかしい。そういうことを唱える人の多くは高学歴ですが、自分のその立場を築き上げたのは学校であり、その地位を認める人を輩出し、社会の秩序を構築しているのは学校であったということを忘れているとしか考えられません。

 公教育は日本にとっては国家の基盤中の基盤であることを忘れてはなりません。