はてなの毎日

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徳育の拠り所

 近年、教育勅語を見直そうという動きがあるようです。戦前精神の復活、右傾化の現象ということもできるでしょうが、どうも別のところに発想の基本があるらしい。それは徳育の見直しです。

 学力をあげることに対して最近は企業のような成果主義まで導入すべきだとか、教師にも実績を出すノルマを義務付けろといった私にしてみれば「非現実的」な議論が出る一方で、最近の子供はマナーやルールを知らない。そもそも道徳心が欠如しているといった議論もあります。成績は上げろ、ただしいい子でなければ、と教育に求める社会の要求は多様で高い。

 それは、それで構わないのです。私達はより理想を求めるべきなのです。ただ、問題なのが成績はテストの点数で一応測定できる。ただ道徳に関してはその尺度が分からない。

 そこで登場するのが依拠すべき規範であり、キリスト教のような規範を持たない日本人が手っ取り早く拠り所にする条文なのです。教育勅語がそこに選ばれたのはそんな経緯があるようです。