もつれた糸

  もつれた糸をほぐすには心の余裕が必要です。何が本当に大切で何が末端のことなのか、手順を踏んで考えるべきでしょう。

　ソウルの戦争記念館でおこなわれる日本の漫画「ワンピース」にちなむ展示が一度は旭日旗に似たデザインが作中に登場するという理由だけで中止になり、当地の地裁の裁決により、開催を決めたということです。作品のストーリーとは無関係なので単なる「言いがかり」という判断です。韓国の人々の反日感情は実に複雑で、公的には反日、私的には親日という人が多いようです。これは歴史的いきさつがあるので、一概に難ずることはできません。そう振る舞わなくては国民としていたたまれないという状況があるのでしょう。現代日本人としては残念な限りですが、最近は日本人の中にもヘイトスピーチをするような短慮な者が出てきているので人のことばかりはいえません。

　互いの国益を考えるならば、反目しあっている暇は全くないはずなのですが理屈通りには進まないのが人間の歴史というものなのでしょう。実は「ワンピース」の良さは私には理解できていないのですが、それを認めている人が韓国に多数いるという事実こそが大きいと思います。政治で超えらない壁をこえる手段は実は手元にあるのでしょう。