はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

何が役に立つのか

  我が国の国際的な競争力が相対的に低下しているというのは大方の見方になっています。何を基準にそう言うのかには問題がありますが、相当の危機感を持っている人が多いのは事実です。
  そこで考えられるのが教育の改革ということになるのですが、それが混迷しています。もともと少子化で打撃を受けているところに、政治家や産業界の人たちによる成果主義の考えが無批判に導入され、さらに国際競争力まで期待されるとなると一層混乱は助長されます。
  現場にいる私としては立ち止まって考える時間が足りないというのが実感です。ある程度の多忙さには慣れていますが、その中で同じことの繰り返しに特化した身体と頭の使い方をしていることに気づくのです。
  最近気になるのが、役に立つ、立たないという基準が安易に扱われていることです。就職しやすいか否かで大学選びをする高校生は以前より増えました。何が勉強したいのかとか、何に興味があるのかは二の次なのです。それはもちろん高校生がそうしているだけではなく、その親がそういうのであり、場合によっては教員もそう言います。そしてそう言わせているのは社会の風潮です。
  例えば文学とか歴史とか、そういう分野の研究をしてきた学生は企業にいらないのでしょうか。私は何かに打ち込んできた学生には可能性があると思います。社会の短期的評価の傾向を変えていかなくてはと思うのです。