はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

カワハギ釣り

 昨日、鮮魚売り場に富山産のカワハギが並んでいたので思わず買ってしまいました。味噌汁の具とすると独特の風味が広がりました。いわゆるウマヅラではないのは久しぶりです。
 カワハギ釣りにはちょっとした思い出があります。私の父は釣りが好きで、当時は日曜しかなかった休日の大半は海や川に行きました。母親にはかなり早くに愛想を尽かされたようで、同伴するのは息子の役割でした。釣りとなると朝早くから夕方まで河原や浜辺、港で過ごすことになるので、子供にとって魅力的であるとともに退屈な場所でもありました。
 当時の父は穏やかな性格でしたが、狙う魚によって微妙に性格が変わっているようでした。カワハギ釣りの時は、ちょっとはしゃいだような表情を見せることがありました。カワハギは防波堤近くに棲息しているので投げ釣りのような豪快さは必要ありません。地味な浮き釣りなのですが、これがなかなか難しいのです。カワハギはほとんど浮きを揺らすことなく餌を食べることができ、さらに鋭い歯で仕掛けごと噛み切ってしまうこともしばしばあるのです。せっかく釣れたとおもって引き上げるとキタマクラという恐ろしげな名前を持つフグだったり、鰭が刺だらけのアイゴが釣れて大騒ぎになったりとはずれも多いのです。父はそのはずれも含めて楽しんでいました。一日がかりで釣果は上がらないということもありました。釣り人にとってはそれもふくめて楽しみのようです。
 味噌汁椀おさまったカワハギを見て、獲るまでのドラマを思い出した次第です。