はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

一歩目

 落ち込んで行き詰まった時や、失敗して底のない自己嫌悪に陥った時、次の段階への糸口がなかなか見つからないことがあります。私のような単純な人間は、ふて寝をするかやけ酒か、当て所なく歩きまわるかして気持を切り替えると何とかなることが多いのですが、それでもどうしようもなくなることがあります。そういう時は何気ない振る舞いでさえ気になるのです。

 自分の行動それ自体にあまりに意識が向かいすぎているから、そのようなことが起きるのだとは自覚しています。実際自分のことをそんなに細かく観察している人がどれだけいるだろうかと考えなおすと、少し気が楽になります。自分について最も意識しているのは自分自身であり、他人については意外に等閑視している。だから、あんまり思い悩む必要はないのだと言い聞かせるのです。実際、そんなものでしょう。

 髪が奇抜な色や形をしている人をみると、私たちは注目しますし忘れられない印象を持ちますが、実は髪以外の要素はあまり見ていない。つまり、私たちはその人を見たようで実は一番印象的な部分以外は見ていなかったということがあります。

 だから、自分の存在が間違っているとか、他人に認められていないとか思うのは、一部を強調して考えているに過ぎないのかもしれません。極論ですが、私たちのつきあいかたは曖昧でいい加減です。それ故にうまくいっているのです。だから、失敗後の最初の一歩目は特に特別なことをする必要はありません。

 適当に(力を抜いて)振る舞えば、他人は何もなかったのかのようにそれを受け入れるものだと思います。