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いい人

  古典の中に登場する「よき人」は人格者のことではありません。多くの場合、身分の高い人物について語られる時に用いられ、性格面が中心にはないようです。もっとも、身分の高い人物は当然品格や人間としての完成度も高いという前提があったはずです。人を測る物差しが違うのです。
  現代語の「いい人」はどちらかといえば人間性について述べられることが多いようです。優しい性格だったり、正義感が強かったり、信頼できる人物についていうことが多いのではないでしょうか。こうした人間性に関する形容になった時点で、いい人の基準は不安定になりました。価値観によってよしあしはいくらでも変わるのですから。
  極論すれば現代のいい人とは、自分にとって都合のいい振る舞いをする人という意味だと言えます。古典語の「よき人」に関して抱いた違和感以上の怪しさを感じる言葉になっているのです。
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