はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

声をかける店員

  先日、とあるコンビニエンスストアで買い物をした時の話です。レジを打つのは坊主頭の恐らく高校生、もしくはその少し上あたりの男の子でした。私は前の客が会計を済ませるのを待つ形になりました。彼は人好きのよさそうな笑顔でレジのためのスキャンを着々とこなしたあとで、親しげに前の客に話しかけました。若い女性だったので、もしかしたら知人ではないかと思いました。ただ、彼が何を言ったのかまでは聞き取れなかったのです。女性の方は少し驚いていたようですが、笑顔であったことは確認しました。そして私の番になり、手早く会計作業を済ませたあと私にも親しく話しかけてきました。一言だけなのですがあまりに新鮮だったためにやや長めの返事をしてしまいました。
  バイト店員が雇われているコンビニエンスストアのレジはどこも同じような受け答えをするので、ややもするとその人間性を忘れてしまいます。あたかも機械のような無個性に慣れきってしまい、手際が少しでもよくないと必要以上に腹を立てることもあります。今回の体験はその慣習を覆すものです。効率性の低下や、個人の世界に立ち入る危険性はあるものの、店員が人間であり売買がコミュニケーションの一つであることを坊主頭は思い出させてくれました。この店にもう一度来てもいいなと私は思ったのです。