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基礎あっての応用

  新しい教育評価の方法を巡って教育の現場での模索が続いています。中央教育審議会の答申に基づく教育改革は、大学入試の変化という現実的な問題を機にして今まで以上に大きなものとなる可能性があります。まず理想があって実践になる。その道筋はよいのですが、具体的な実行計画が不鮮明なため現場は混乱してしまいます。

 答申によると、

  • 知識や技能を活用して複雑な事柄を問題として理解し、答えのない問題に解を見出していくための批判的、合理的な思考力をはじめとする認知的能力
  •  人間としての自らの責務を果たし、他者に配慮しながらチームワークやリーダーシップを発揮して社会的責任を担いうる、倫理的、社会的能力
  •  総合的かつ持続的な学修経験に基づく創造力と構想力
  • 想定外の困難に際して的確な判断をするための基盤となる教養、知識、経験

の育成を目標とするとして、教育内容の変更を求めています。特に学習者が主体的に問題を解決していく能力を育成する力に注目しているのが特徴です。

 これに対応するために中等教育がするべきことは何でしょうか。グループ学習やディベート、ディスカッションなどの双方向的な意見交換の授業は以前に比べると遥かに増えました。少しずつ方法論や評価法も出来てきています。ただ、これに偏重するのは危険だと思います。

 プレゼンテーションが上手な生徒はやはりいます。ただ、その内容はどうかというと必ずしも素晴らしいものとは言えないのです。型はあるが内容がないというものが少なからずあります。

 中等教育でやるべきことはもちろん答申の内容の理想は踏まえつつもやはり基礎的教養の徹底ではないかと思うのです。現場にいるものとはしては、基礎力と応用力の育成の手順とバランスを最大限に工夫する必要性を感じています。