はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

代筆

  実は年賀状の代筆をしています。あるいはこれは失礼に当たるかもしれないと思いながら、やり遂げようと考えています。
  父は数年前に脳内出血を起こし、幸い自活できるほど回復したものの、いわゆる高次機能に障碍が残りました。言語活動のうち、読む、書く、話すの三点に難があります。ただ、恐らく軽度に分類される段階なのでまったくだめという訳でもないのがかえって難しいのです。
  そんな父は現役時代、いわゆるノンキャリア組の典型で人当たりは良かったらしく、退職後もたくさんの年賀状が届きます。この点は私と対照的で絶対克服できないことの一つです。だから、今年もたくさんの賀状の山が築かれたのですが、如何せん本人は読めないし、返事も書けないのです。
  そこで、せめてもの孝行の真似事として、その一部の返事を書くことにしました。父の字はかなり癖があり、模倣できないのでとにかく父の健在を知らせるために返信することに割り切ることにしました。父はもう出さなくていいというのですが。
  私の余計なお節介は相手の方を困惑させるだけかもしれません。見知らぬ筆跡の賀状が差出人の住所から遠く離れた消印が押されて届くのですから。自己満足のためにやっているのかも知れないと思いながらも止めることはできそうもありません。