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受験生を失望させないで

 大学全入時代ならば仕方がないということも出来るかもしれませんが、複数の大学において合格者の水増しなどの残念な報告があります。文科省の指導が入る大学もあるようです。少子化のなかで大学の質的低下が起き、さらには一部の有名大学への受験生の集中がその他の大学を深刻な危機的状況に追い込んでいます。

 私は受験生の集まらない大学は淘汰されればいいとは考えていません。教育機関は単純な市場経済の法則だけに存否を委ねるべきではないと考えます。ただ、その大学が独自の存在価値を主張し、その理念を実行していることが条件です。

 人気はないけれど他にはない学問にこだわっている大学や、地方にあってその地域の社会や経済に密接に関わろうとしている大学などは応援したくなります。要はブランド名ではなく、何をやっているのかという内容面にもっと関心を持つべきなのでしょう。

 受験の世界では東大や京大、一橋などの国立大学、私立では早慶・上智、それにGMARCH学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)、日東駒専(日本、東洋、駒沢、専修)などと呼んで大学を序列化しています。その是非は大いに議論の余地がありますが、そもそも長年にわたってこの順番が入れ替わらないこと自体が問題なのではないでしょうか。

 私自身も教育の現場に携わりながら、大学の真の教育活動を評価する手段を持っていません。結果的にいわゆるブランド的な印象で大学を見てしまいます。

 昨年、文科省が制定したスーパーグローバル大学という形を変えた序列の認定も、単なるブランドとしてしか機能しないのだとすれば、大学の改革にはつながらないでしょう。各大学は教育活動をもっと社会に公表し、その存在価値を訴えていくべきです。

 受験生は必死に勉強して大学に進みます。そして、少なくも入学する時点では大いなる期待をもっているはずです。どうか受験生を失望させないでください。