はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

卒業しても忘れない

 おそらく多くの方々は自分の出た高校の担任のことを思い出せないでしょう。週のほとんどの日に顔を合わせ、叱咤激励の日々もあったと思います。しかし、ほとんどの記憶はその教員の渾名か、妙なエピソードくらいのもので、どんな話をしたのかとか、どういう考えの持ち主だったとかはほとんどが忘却の彼方にあります。

 教員の方は卒業生について結構覚えているものです。しかし、さすがに何年も経つとその人物の特徴だけがややディフォルメされて残ります。時に学校に訪ねてきてくれる生徒がいた場合、その変貌に驚きながらも、やはり生徒時代の面影を探してその側面だけを見出そうとします。

 私の同僚には何百人、いや数千人の生徒を記憶している教員がいます。名前はもちろん、所属していた部活動や苦手な科目などの情報をしっかりと覚えているのです。教員は名前を覚えることが大きな仕事の一つですので、この同僚は最適な資質をもっているのでしょう。

 教員は生徒のことを結構覚えているのに対し、生徒は卒業するとたちまち教員のことなど忘れてしまう。そんなものだと私自身は割りきっています。

 

今週のお題「卒業」