はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

女性作家の描く男

 女性作家が男を主人公とした短編小説を読んで少なからぬ違和感を覚えています。小説自体はおもしろく、感動もしたのですが、どうも現実の男とはまるで違う。宝塚のような男装の麗人が演じているように感じるのです。もちろん、それは美男子だけではなく普通の男を描くのでも同じです。

 おそらく、私も若い時ならばここまで感じることはなかったと思うのですが、どうも世慣れしすぎてしまったらしい。女の描く男というのはやはり一種の観念であり、理想であり、差異であり、異質なるものなのだと思うのです。

 もちろん男の描く女もまたしかりであり、私たちは互いのほんの少しの誤解の中でやりとりをして、折り合いをつけているのではないでしょうか。

 小説の作者は特定の視点から世界を描くのであり、あたりまえのことなのですが、どうも最近気になって仕方がないのです。