はてなの毎日

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絵画館前軟式野球場

 新国立競技場の設計が白紙撤回され、非常に莫大な建設費がどうやら莫大な建設費くらいに削減されるようです。今日の報道によれば、本来競技場に必要なサブトラックが当初から設計に含まれておらず、今回の見直しでも仮設の設備に留めるとのこと。どうも、スポーツの設備でありながらスポーツ仕様になっていないようです。誰が何のために建てているのかが改めて問題になりそうです。

 さて、サブトラックが仮設されるのが絵画館前のいわゆる軟式野球場であるようです。土日祝日などには多くのアマチュア球団が試合をしているあの広場にはちょっとした思い出があります。

 あの広場の外周の道路を自転車で回るのが子供の頃の私にとっては週一回の行事のようなものでした。一部は貸し自転車場のようなものになっていたり、マラソンが行われるときは最後の勝負の場所であったり、平日の歩道は意外と人が少なく、気分転換の場所であったりしました。

 外周道路の途中で立ち止まり、軟式野球場でスポーツをする人を見るのも楽しみでした。そこには時々意外な姿も見られました。赤の縦縞のヤクルトスワローズの選手がウオーミングアップをしていたのです。神宮球場大学野球との併用が多く、大学野球が長引くとプロの選手がアマチュアの場所の一郭でキャッチボールをしていたのです。その当時のスワローズは低迷期でしたが、すでに広沢、池山などの黄金時代を築くことになる選手はおり、私が見た選手のなかにも広沢選手がいたのです。神宮球場から明治大学の校歌が流れてくると(おそらく得点したあとの応援です)、練習を少しだけ中断して球場の方を向き、腕を振っていました。選手の素顔のようなものが間近で見られたのはいい思い出です。

 オリンピックのためにあのあたりは大きく変わるようですが、スポーツを愛好する人のための設備であることを設計、建設者は忘れていただきたくない。スポーツの感動は豪華な設備ではなく、人間の身体そのものから発生するものであるはずです。