はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

創作の苦難

  東京オリンピックのエンブレムが発案者の図案取り下げという事態になったことはとても残念でした。他人の作の剽窃ではないかという疑惑は真相がつかめないままなのですが、素人目で見る限り問題はなかったように思います。似ている図案がある可能性はどんなものにもあるし、たとえ先行作を参考にしたといっても、そこにこめられた意味がまったく違うならば、別物と見ることはできないのでしょうか。
  折しもニュージーランドの国旗変更の可能性をめぐる報道に接しました。オーストラリア国旗と酷似する同国の国旗をオリジナル性の高いものに変えようという動きです。4つの案が検討されているようです。見たところどれも魅力的ですが、またどれもどこかで見たことがあるような気がしました。
  まったく独自性を保った図案というのは、机上の空論ではないでしょうか。オリンピックのエンブレムの件ではそこに巨大な利権が絡むことから、瑣末な著作権疑惑になってしまいました。権利を侵害されてもいない第三者が印象批判で話を拡大したことも明らかです。
  我が国の将来はコンテンツ産業の開拓にかかるという人もいます。創作を取り巻く環境を険悪化することはその意味で危機的状況なのです。問題点の整理と今後への対策を関係者にはお願いしたいと思います。