はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

川の神

  鬼怒川の堤防決壊による大氾濫の報道に接し、被害に合われた方々へのお見舞いと、お悔やみを申し上げたいと思います。自然の脅威の凄まじさを改めて痛感しました。
  鬼怒川という名の漢字の当て方については、歴史的には古代までは遡れないという説があります。衣や絹という字が当てられた文献もあるそうです。古代の豪族の紀氏に因むか、今の栃木や群馬辺りの古代の地名の毛に関係し、毛の川と言っていたのが転訛したという説に魅力を感じます。ただ、鬼怒川という用字が今回は説得力を持ってしまいました。
  川は生活用水や農業用水などとして人間の生活に文字通りの潤いをもたらす一方で、今回のように甚大な被害を引き起こす両面性があります。治水技術の発達で、その弊害はとても小さくなりました。しかし、できることには限界があるのです。
  富山に住んでいた時、河川の脇に小さな祠を幾つか目にしました。地蔵信仰かと見過しがちなのですが、どうもこれが水神様なのだそうです。かつて堤防がきれた所に置かれた川の神への鎮魂のしるしだったようです。
  川が時には破壊神にもなる存在であることを私たちは忘れてはなりません。