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電波時計

 私はいわゆるソーラー電波時計を愛用しています。秒単位で正確な腕時計をしていることに妙な安心感を覚えるのです。通販で買ったシチズン時計は8000円弱。デザインもまずまずなのでつい多用しています。

 

  この時計は電波で秒針を補正します。職場のチャイムも同じシステムをとっているらしく、まさに秒単位で一致するのです。ぴたりと合う瞬間は何となく気分がいいものであるし、自分があたかもできる人間のような錯覚をしてしまうのがいいところでしょう。

 逆に、いい意味でのいい加減さが吸収されてしまった気がするのは残念です。以前使っていた自動巻きは使っていないと止まったりするので、常に正確な時間を気にしていなければならず、時計のための時計が必須でした。しかし、いい加減な性格の私は大体の時間で生活することに慣れていた気がします。時計が狂っていたんでという言い訳を心の中で許していたというわけです。

 ところが、電波時計をつけるとそういう言い訳はできません。秒針が以前よりもとても気になるようになりました。また他人の遅刻も気になるようになりました。これは果たしていいことなのかと考えたりもするのです。

 とはいえ次に時計を買うときもまた電波時計にすると思います。時間というものが人間が勝手につくり出した尺度であることは十分に頭では理解しているつもりですが、やはりそれに正確に乗っかっているという一種の快感は捨てがたいのです。