はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

詮方なきことなれど

 都会の悲しい現実に列車の人身事故という名の自殺があります。これは相当衝撃的なことなのですが、年に何度もそういう事故に接すると、恐ろしいことにいつしか刺激を失い、人身事故を迷惑な交通妨害と考えるようになっていきます。確かに鉄道を止めることによって奪われるものは大きい。経済的損失はさることながら、目的を達せられないことによる精神的な損害もあり、場合によっては人間関係の悪化、断絶へと影響することもあります。

 さらに問題なのは事故の事実を知ったり、最悪の場合目撃した時の心の傷の深さです。これは想像以上に大きい。厳しいことを言うようですが、死を選んだ人の行動が他の人を傷つける悪循環を招くのです。

 自死を選ぶ人が後を絶たない原因は、まず社会に求めるべきなのでしょう。我々は日常生活を変えていかなくてはなりません。人を追い詰めるのが現代社会ならば、それはやはり間違っているとしか言えない。競争の原理の名のもと繁栄している現代の文明にはなにか致命的な欠陥があるのです。

 詮方なきことではありますが、諦めてはいけない。かく言う私も相当な弱音吐きであり、いつもくじけそうになっている毎日なのですが、それでも何とかやっていかなくてはならないと叱咤激励しています。そして、ささやかですが他人の存在を認証する存在としての機能だけは果たしたい。私がその存在を認めた人は死んではならないと言い続けたいのです。