はてなの毎日

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慰安婦問題は終わらない

 日韓政府間でいわゆる従軍慰安婦問題に関する合意がなされたとの報道があります。これまで解決済みとして一切の要求を聞き入れなかった日本政府が、ここにきて態度を急変したのは、これ以上の日韓の対立は国益にかなわないとの判断があったのだと思います。日本との距離を置くあまりに韓国は中国との結びつきを深めざるを得ず、これが日本にとっても脅威になる可能性があるのは事実です。

 韓国としても経済の停滞や国政の失敗などでの失点が続く中で、日本との関係改善が不可欠と考えたのでしょう。中国と組んでいる限り韓国はその影響下に組み込まれるばかりであることは素人の目からも予想できます。

 今回の合意はあくまで政府レベルで進められていることには注意しなければならないでしょう。決して当事者たちの声を反映したものではないのです。慰安婦というデリケートな問題は様々な問題を包含します。さらには若い世代には伝えにくい面もあります。時間が経てば事実関係はますますわからなくなっていき、歴史的事実の解釈を変更したり、そもそもそのような事実はなかったのだという意見さえも登場してくるのです。

 政府間での合意はそれでも評価したいと私は思います。少なくともこれを政治の駆け引きにつかうことは少なくなるでしょう。ただし、この問題をなかったことにすることは絶対にできません。第二次世界大戦での日本軍が抱えている慰安婦問題は、そのまま韓国や中国がその後に参戦した戦争でも今度は加害者の立場になって同様に起きているかもしれません。そのような報告もあります。

 人類普遍の問題として、悲しい人間の性としての暗部を決して隠蔽することはできないのです。