はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

非常時の優しさ

  18日朝の雪は交通機関に大きな影響を与えました。私の乗った電車は駅間に車両を停めさせない方針をとったために、すべての列車の駅到着確認を取りながら発車の合図をしていたようです。その結果、一駅進むのに普段なら3分のところを20分近く掛けていました。
  車内はまさに立錐の余地もない超満員で着ぶくれた乗客がひしめきあっていました。駅につくたびに乗り込もうとする人がいるのですが、もはや常識的にはどこにも入る余地などありません。大変なのは車内から出ることでもあります。扉から遠くに送り込まれた人は何人もの人の壁をすり抜けなくてはなりません。
  ところが、この日の車内は雰囲気が違いました。降りようとする人がその意志を口にすると、周囲の人たちが次々に身をよじり抜け道を作り、降りる人がいることをリレーで伝え合うのです。誰も非協力的な人はなく、満員電車からの脱出は見事に達成できたのです。それも度々。
  日本の社会は身内に優しく、よそ者に厳しい。ただ、何を身内と考えるのかは状況によって変わります。満員電車に乗り合わせた境遇が身内意識を生み出したのでしょうか。
  非常時の優しさを平時にも出現させるにはどうしたらいいのか。それを考えなくてはならないようです。