英語力を伸ばすために

  報道によると高校3年生の大半の英語の力が中学卒業レベルかそれにも達していないという調査結果が出たようです。関係者にとっては予想外の残念な結果だったのではないでしょうか。

  英語力が伸びない理由を生徒諸君の怠慢とするのはたやすい。また教師の指導力不足だと考えるのも簡単です。しかし、根本的な理由は英語を使う機会がなく、使えることのメリットがないことによると思います。就職活動では英語力の有無で選択の幅が激変することは事実でしょう。でも、できなくても何とかなることも確かなのです。まして、高校生のレベルでは英語の必要性はさしあたっては大学入試くらいです。

  その入試も英語力の育成に必ずしも貢献できていない。受験英語を極めてもコミュニケーション能力がつく人は限られています。

  英語力を高めるためには英語を使う場面を具体的に生徒に設定していくしかない。それが自己紹介と道案内だと私などは考えるのです。

  自己紹介は名前や住所を述べるに止まらず、日本の文化や制度などについて説明することを含みます。もちろん相手の文化を理解した上での説明が求められる。

  また、道案内は路上での案内はもちろんですが、目的地の環境や歴史的背景などの説明も含めます。

  己を知りそれを異文化の人に伝えることの大変さと面白さとを具体的な場面設定をして教えることが使える英語力を身につけさせるためには欠かせないと思うのです。