はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

継続という幻想

  時間は絶え間無く連続し、その中で自分も周りの世界も少しずつ変化しながら継続してゆく。私たちはそのようになんとなく感じて生きています。今日の次には明日があり、その明日にも明日があると。
  しかし、五年前のような大震災を経験するとその漠然とした確信は大きく揺らいでしまいます。もしかしたら次の瞬間に時間は止まるかもしれない。何の予告もなしに、何の理由もなしに。
  この考え方は古典時代の日本人ならば潜在的に持っていた感覚であり、言葉にならない心の伝統であったと思います。無常という仏教用語を借りて表現されることもありましたが、大半は深層心理のようなものであったのではないでしょうか。
  近代以降、科学の発達とともに私たちは周囲の世界や人間の身体までもを制御可能であるとの幻想を抱くようになりました。その一部は実現化しているため、その深さはますます増しています。
  制御できない明日があることを再認識する必要性を今日のような日には痛感するのです。