はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

プロットの妙

 いわゆるショートショートを読む機会がありました。このジャンルでは星新一が有名ですが、実は山川方夫という昭和の作家にも優れた作品があることを知りました。教科書などに取られる「夏の葬列」はその代表作といえます。ほかにもいくつかのショートショートや短編小説があり、私としては再評価されていい作家だと思います。昭和40年に交通事故死という何とも残念な最期を迎えてしまった方なのですが、もし御存命ならば、もっといろいろな作品を残されたと思うと残念です。

 短い作品に大切なのはプロットの立て方であると思います。多くを語れない制約の中でどうしたら感動的、かつ辻褄のあうストーリーになるのかを考えると、やはり因果関係を巧みに構成する以外にはありません。短編ではそれがわざとらしくなってしまいがちなので、いかに不自然さを出さずに話を展開するかが技の見せ所になるのでしょう。

 若い頃、小説のようなものを書いたことがありますが、どうもこのあたりの才能がなく、妙に結末が飛躍したり、逆に起伏のないつまらない内容になってしまった記憶があります。最近、複数作家のショートショートを集めた文庫なども刊行されていますので、それらを読んで再び小説家のまねごとをしてみたいなどと考えだしているのです。名作はできませんが、せめて小説の面白さを再確認することだけでもできるのではないかともくろんでいます。