はてなの毎日

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人種の間にあるもの

 アメリカは人種問題を克服できていないことをここ数年の事件は証明しています。白人警察官による黒人の射殺や、黒人による白人警察官の射殺などの事件が報じられるたびにこの問題の根は深いことを感じました。オバマ大統領が就任した時に、アメリカの人種差別問題は大きく前進したのではないかを誰もが思ったと思います。スポーツやエンターテインメントの世界では人種を超えた絆が感じられることがあります。しかし、これらはいずれも社会の一面に過ぎないのです。

 大統領候補のトランプ氏は移民に関して差別ともいえる発言を繰り返してきましたが、これがある程度のアメリカ人の本音であることは事実でしょう。そして共和党の代表候補にまでなったのは、そういう本音を持っている人が実はかなり多数いることの象徴です。アメリカの人種問題は決して過去のものではなく、むしろ政治的経済的優位が揺るいでいるいま、あらたな問題として内側へのバッシングの現象として出来していると考えられます。

 日本は人種というレベルの問題が表面化しにくい環境にあります。しかし、今後グローバル化が進む中で必ず避けて通れない問題です。肌の色の違う「日本人」を多数迎えることになる時代はそれほど遠くはないはずです。人種問題の現状には注目すべきであり、まさに他山の石そのものなのです。