はてなの毎日

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ガレの精神に学ぶ

 東京ミッドタウンにあるサントリー美術館で開催中のエミール・ガレ展に行ってきました。ガラス芸術の作家として知られているガレですが、その多彩な作品群に触れることができました。

 ガレの作品の中にはトンボやカマキリといった昆虫をテーマにした作品が多数あります。その原点は日本の作品のイメージを模倣したことにあると考えられています。先日見たメアリー・カサットらの印象派しかり、いわゆるジャパニズムなる現象が顕著に見られることに改めて感動しました。

 19世紀のヨーロッパの芸術家がどうして日本や中国などの東洋系の芸術に影響されたのかについては今後興味を持って行きたいと思っています。今風に言うならば日本のソフトパワーが欧州に十分な影響を与えたわけであり、それがどのような経緯で行われ、どのような効果があったのかについては考えなくてはならないと思います。おそらく先行研究は幾らでもあると思いますので、それを現代風に焼きなおす作業を我々はしてみるべきだと感じました。

 ガレが取り入れたのは日本の芸術だけではありません。良いと思ったものは何でも積極的に取り入れ自分の作品の要素にしてしまうというのがガレの芸術だったのでしょう。この精神はかつての日本のありかたそのものであり、大いに共感ができるものです。ここから得られる教訓は多いのではないでしょうか。