苦い段階
何かを考える際に私たちは過去に経験したことと照らし合わせています。恐らくそれがなければ何も考えられず、存在を認識することすらできません。すでに描かれた地図を手に旅をしているのです。
しかし、あまりにもその地図に頼りすぎると、今を生きていながら実は何もみていないことになってしまう。最近のナビシステムのように至れり尽くせりの案内があると、ますますその傾向が強くなります。
私たちは何かを考えるたびに悩み困惑し、途方に暮れるという苦い段階を受け入れるべきなのです。それこそが今を生きていることの証なのですから。