はてなの毎日

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数字で意欲を評価するには

 新しい学力観に基づく次の学習指導要領では、ペーパーテストでは測れない意欲や態度を評価の基準として導入すべきであると指示してくるはずです。日頃の授業への取り組みを評価するのは大切なことで、この事自体に異論はありません。ただ、問題なのは評価の仕方です。

 授業への意欲の示し方は一様ではありません。わかりやすいのは発言や質問の数やノートの取り方などの数値化しやすいものです。例えば、週間で3回以上の自主的質問があればプラス5ポイント、ノート点検で板書以外の記述が毎回されていればプラス10ポイントなどと基準を決めれば、公平な評価ができそうです。

 しかし、それ以外の授業中の積極性や口頭発表の熱意など基準がつけにくいものに関してはどうしても評価の対象として取り上げにくい。結局、印象点として曖昧に付けるしかないのではないかと考えています。

 発言が少なくてもしっかりと取り組んでいる生徒もあり、ノートの取り方は下手でも授業内容は理解できているし、見どころが多い生徒もいます。そういう見逃しが発生しやすいことは今のところは仕方がない。そう割り切るしかありません。第一、40名の生徒の目に見えない意欲を客観的に評価していくことはかなり困難です。

 そこで生徒には評価の方法をあらかじめ明示してしまわなくてはならないと思っています。これからはテストの点数だけで評価はつけない。授業中の取り組みも評価する。それは目に見える形で表してほしい。何回発言したか、どんな発言だったか、ノートに板書したこと以外がどれだけ書かれているか。それらを評価の対象にする。だから、皆さんの意欲を形で示してほしいと。

 将来的には形ばかりの意欲表示という問題点を抱えることになると思いますが、まずはここから始めるしかないと思います。この考え方が定着すればテスト1回で評価が決まるのではないことを分かってもらえる気がします。そして、この暫定処置をとっている間に本当の評価の仕方を研究するしかありません。