はてなの毎日

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経年劣化

 昨日、東京で大規模な停電が起きたそうです。幸い私には何の被害もありませんでしたが官公庁を含む多くの公共機関でも停電が発生し、公共サービスが中断したり、交通機関が止まり、道路の信号が消え事故が発生したりするなどの事例があったようです。

 その原因は送電ケーブルからの発火で、外的要因がないことから経年劣化によるものと考えられています。地下に埋設されたケーブルは完成以来35年にわたって使われており、ケーブル自体の交換はなされていなかったというのです。

 ケーブルの耐用年数がどれくらいなのか、今回同様の事故が発生する確率がどの程度あるのかなどの知識がない私にとっては今回の事故が偶然なのか必然なのかを判断することができません。ただ、少なくともこの前例が今後の送電インフラを考える上での目安になることは確かです。

 インフラの劣化という問題は以前にも取り上げたことがあります。高度成長期以降に全国に急速に建設されたさまざまな設備が耐久力を使い果たし、大きな事故を引き起こす例が少しずつ報告されています。大事故になってしまったトンネルの釣り天井の崩落は記憶に新しいです。また、各地の橋脚等で見つかっているさまざまな老朽化現象も気になります。こうした問題が今後一気に出来するのではないかと思われるのです。

 造ったものにはメンテナンスが必要であり、やがては使えなくなるという当然のことが私たちを苦しめることになることをどれだけ予測できていたのか。これからも数多く造られていくインフラや大規模建築をかなり長い期間の視点でとらえる必要性を改めて考えさせられました。