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みっともないのか

 東急線のマナー向上キャンペーンの中に車内で化粧する女性に対して「みっともない」と表現したことが、ちょっとした話題になっているようです。みっともないという表現の妥当性について賛否両論があるのです。

 女性が化粧することがほとんど義務的な慣習となっている以上、みっともないというのは性差別ではないかというのです。また、車内でいびきをかいて寝る男たちに言及しないのは不公平だとの意見もあるようです。

 はたしてみっともないのかについては少し考え直す必要がありそうです。 他人の前で 化粧はしないものというのは少し前の世代までは当然で、これは文化と言えるものであったと思います。それが現代継承されにくい状態にあるのです。

 そして、みっともなさを感じる要因は、化粧する人を目前にした人たちの側に起きる感情に関係します。つまり化粧道具を手に取る人を目撃した人が自分は存在を認められていないのだということを直截に感知するからなのです。自分が 無視されていることの憤りこそがこの非難の根本にあるのではないでしょうか。

 公共の場は自己と他者のほどよい距離が求められます。それを壊す行為は 非難されるのでしょう。