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描かれた女たち

 東京富士美術館を観た後、八王子の中心部にある八王子夢美術館で開催中の「描かれた女たち /女性像にみるフォルム/現実/夢」を観てきました。この美術館は閉館時間が午後7時であり、かなり余裕を持って観覧できることがよいところです。ビルの2階部分をほぼ占有する展示室はほどよい広さです。展示品に当てる照明がやや強すぎる所があるのが気になりましたが、雰囲気はよく、全体的には好印象を受けました。

 今回の展示は日本の近現代画家による様々な女性像を特集したものでした。まずは圧倒的な数の裸婦像が展示されているコーナーがあります。裸婦像はエロスとともに生命の象徴として描かれており、それぞれの画家の人生に対する考え方が表現されているように感じました。不思議なことに写真のような細密な絵画と同様に、かなり象徴的な絵画にもリアリティを感じました。

 働く女性や子育てをする母親、さらには悩み多い少女の姿を描いた絵画を集めたコーナーは女の一生の多様性と深遠をうかがわせる内容でした。男性画家による作品であることを考えると、そこには憐憫と尊崇、賛美などの様々な感情が表現されているのでしょう。

 コノハナサクヤヒメやかぐや姫、天の羽衣伝説の天女などを描いた作品は、女性が神格化する一面を考えさせられました。

 先に訪れた東京富士美術館に比べるとコンパクトに感じる展示ですが、テーマ性がしっかりと提示されており、見どころが多いものでした。