はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

年賀状の添え書き

 今年も年賀状を多くの方からいただきました。交友がさほど広いわけでなく、まして昨今のネット文化のなかで、住所すら知らない方が増えてしまい、それほど多いわけではありません。日々、お会いする方への賀状は、本年もよろしくという多分に義理の感情で書きます。私の場合はむしろめったにお会いしない方との賀状交換に一種の楽しみを感じています。

 昨今の能率第一の考え方では、今後もう会うこともない方へ賀状を送ったり、送られたりするのは無意味ではないかという人もいます。また印刷されたものだけをもらっても新聞のチラシのようなものであり、「お年玉」の懸賞機会を増やす以外の意味を感じないという人も増えています。

 しかし、私はちょっと違う考えを持っています。私の年賀はとてもシンプルで筆ペンで「謹賀新年」などの賀詞を書き、住所スタンプを押して終わりです。時には100円ショップのスタンプなどで色付けをすることもありますが、大半は黒一色の味気ないものです。ただ、かならず近況報告や相手の安否を問う添え書きを数行書くようにしています。私の賀状は「情報量」が多いのです。出す人が少ないからこそできることなのかもしれませんが。

 こういうことを数年続けていると、相手からも私宛の賀状には配慮が必要と思われるのでしょうか。添え書きをしてくださる方が年々増えてきました。大半は簡単なお決まりの言葉ですが、中には明らかに私を配慮してくださる方もいらっしゃるのでうれしく思うのです。

 賀状は普段なら面と向かってお話しすることも叶わない方に直接メッセージを送る口実としても機能しています。かつて教えをいただいた先生や、活躍中の先輩、同輩、後輩諸兄に一対一としてコミュニケーションできる重要な機会です。それを賀状の添え書きという方法で行うのは私にとっては大事なことなのです。

お題「年賀状」