はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

比喩の引き出し

 「サピエンス全史」という本を読んでいるのですが、思うのは比喩の仕方が巧妙であるということです。書かれている内容に関しては以前どこかで読んだり、聞いたりしたことが大半なのですが、その説明を実にうまいたとえで語っているのがこの本の面白いところでしょう。

 難しい話を易しく話せるのが真の賢者ということをよく聞きます。私などは易しい話を難しくしてしまうので愚の骨頂です。難しい話を易しくする方法はいくつかあると思いますが、その一つが分かりやすいたとえ話に変換できる能力なのでしょう。抽象概念を具体化するには、そのための持ちネタが豊富である必要があります。どんなことでもたとえるものとの差異があるので、それを切り捨てたり、さらに他のものにたとえたりする力も必要でしょう。

 賢い人になるための目標の一つに、こうしたたとえ話をいかにできるようになるかを置いてみるといいと思っています。そのためには豊富な読書、見聞などの裏付けがいるということなのでしょう。思いを形する、思考を言語化する実践を日ごろからすることが、いいたとえ話ができる条件なのだと思います。