はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

叙景による叙情

 俳句の世界を教えるときに定型や季題はもちろんですが、肝心なのは叙景の文学であることを徹底することだと思います。自らの感情を語らず、目にみた自然や人事を語ることによって、その奥にある心情を表現するのがこの文学の基本なのです。

 生徒の感性を情ではなく、景に落とし込むのは意外と難しい。それが俳句の難しさであり、また面白さでもあります。名句鑑賞は大切ですが、私はこの俳句ならではの制約の多い創作の本質と、それがもたらす魅力とを感じさせたい。またそれを他人に伝えられるようになってもらいたいと考えています。