はてなの毎日

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解釈を求めるのではなく

 小説を使った授業では気をつけなくてはならないことがあると思います。それは一定の解釈を押しつけないということです。文学作品に対して読み方が一つしかないかのように考えさせるのは、明らかな間違いです。

 もちろん、まったく的外れの読みがなされたときや、筆者のメッセージを見逃していると思われた場合は、修正や誘導が必要です。しかし、その場合も手段は示しても、結論を強制すべきではありません。

 多様な読みを認める方法では、その主眼を自分の読みの根拠を説明させる方に力点を置くべきだと思います。どうして自分はそう読んだのか、その読みで何を得たのかといった自分なりの感性や論理を言葉にさせることが大事です。その中で自己修正が起こり、他者とのすり合わせもあるかもしれません。それが大切な局面なのです。

 テストの出題も出題者の解釈に対してどう考えるかを答えさせるものにしていくべきでしょう。あたかも絶対的な解答が存在しているかのように錯覚させる問題はやめた方がいいのではないでしょうか。