はてなの毎日

日々の思いを、思うまま

ある海の思い出

 海の思い出の中で唯一恐怖を伴っているのが小学生の頃のことです。両親に大洗海岸に連れて行ってもらい、海水浴場で遊びました。海は静かにうねっていて、後で考えるとかなり引き波がある状態だったようです。大人ならばなんでもない状態でも、小学生の私には程度を越していたようで、次第に沖合に流されていく感じがしました。それでも何とかなるとおもって浜に戻ろうとしたのですが、次第に足がつかなくなりあがいても進みません。

 おそらく怖くなって叫んだんだと思います。しかし、波はどんどん強くなるばかり、少しずつ沖に流されていく感じがしました。どうしようかと思っているうちに顔を出すのもやっとになっていきました。大変だと思えば思うほど焦ります。

 結局、その時は近くを泳いでいた若者に助けてもらったのです。その時は生きて帰れたということばかりを考えて、そのお兄さんの顔も見ず、感謝の言葉も十分に言えなかったと覚えています。

 海にはいい思い出がたくさんあって人生を彩ってきたのですが、この時の恐怖はいまでもかなり鮮明に覚えており、定期的にひやりとした気持ちにさせます。