はてなの毎日

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勤労への感謝

 勤労感謝の日の起源は新嘗祭にあったと考えられています。新嘗祭は古代に始められた収穫祭の一つで天皇が五穀豊穣に感謝し、その実りを神とともに共食する神事のようですが、詳細は分かりません。天皇の代替わりがあると大嘗祭という名のもと儀式の規模が大きくなります。悠紀(ゆき)・主基(すき)の殿舎が造られ新天皇の秘儀が行われます。今上天皇即位後皇居内で行われた即位の礼については、しばらくして公開されたものを見に行きました。あれからもう30年も経ったことになります。

 さて、私にとっての勤労の感謝はもちろん生業として糧をいただいていることがあります。最近は定期的な収入を得ることそのものが困難な状況にある中、毎月のサラリーをいただけていること自体が貴重と感じております。しかし、それ以上に大切なのは仕事をしている時間は少なくとも誰かのために何かをしていることを実感できることではないかと感じています。その中には多分に自己満足が含まれていますが、それでも何か他人の人生に関わっているという実感が、実は自分のためにも大切なのです。それがなければ自分が一体何者なのか、なんのために生きているのかが分からなくなり、余計なことを考え出してしまう気がするのです。

 勤労ということが人間にとって大切なのはそういう意味もあるのではないしょうか。その意味で働くことを阻害されている人が社会に多く存在することは、社会全体としてもよいことではありません。危険なことといえます。多くの人が勤労への感謝を実感できる社会を目指さなくてはならないと思うのです。